ジョブカフェ一関
ジョブカフェ一関 センター長より ご挨拶

ジョブカフェ一関 センター長 金野馨 より ご挨拶
                
 

今回は、今、特に強く感じていることについて述べさせていただきます。新卒或いは再就職をめざし就職活動中及びその支援に当る皆様への参考
なればと思っております。

それは、「今」産業社会そのものが土台から大きく変化しつつあり、それに伴い雇用環境も大きく変わってきているということです。それも百〜百五十年に一度の大きな経済変動の波の中でのこととも言えます。この変化を捉えながらの就職活動でなければ、カタチばかり或いは旧態依然たる活動になってしまい効果(就職採用)が期待できません。

 

 今回は、この変化の要因とそれを受けた形で、主に新卒及び若年就職希望者の就職活動の仕方について、具体的にどこにポイントを置くべきか、そこに的を絞りお話しをさせていただきます。

 

 私は、こうした大きな変化の根底には、次の4つの要因とそこから派生する2つの現象があるからだと考えています。
1. 経済市場及び企業社会のグローバル化(企業大再編化など)

2. 資本主義経済社会(特に金融資本主義)の行き詰まり

3. 資源(エネルギーと食糧)の限界(一部枯渇も)と新たな発見と生成

4. 地球環境(気候や生態系などの自然と人口増加)の変化

 そして、上記のことを受けて

1. 人の社会(生活)及び仕事への意識の変化

2. ネット社会による情報の持ち方と使い方の変化

 これらのことが、それぞれ関連し合い産業社会の根底を大きく変化させています。それも変化は始まったばかりで、今後更に大きな波となり続くだろうと思われます。

 これら一つ一つについては、また別の機会に詳しくお話しをさせていただきたいと存じます。

 これだけの大きな変化があると、企業のあり方も仕事のやり方も固定化することができず、変化に対応させて行かなければ経営の持続、仕事の継続そのものが覚束ないものになります。

 従って、企業や仕事を見る(選択する)側からも、そうした変化の中における動態として企業も仕事も捉える必要があります。今まで通りの見方では通用しません。

 大胆な言い方をすれば、もはや一般の方が持っている既成概念での企業名(イメージも)、業種名、職種名では、実際の企業の実態やそこで行われている仕事のホントの中味が見えないということです。角度を変えて見れば、変化している企業が時代の波に乗り、変化をしていない企業はいずれ時代の流れに取り残されてしまうとも言えます。

 従って、企業や仕事を選択する際には、既成(固定)概念を捨て去り、〜今、あなたが求められている具体的な作業は何であるのか〜あなたがその企業の現場に入った時に、あなたが実際に行う作業が何なのか〜それをしっかり理解し決定することがより強く求められます。

 どこでどんな作業があり、どんな人が求められているのかは、企業名や業種・職種からでは見えないものになっています。思わぬ企業で思わぬ仕事のできる人を求めているはずです。

 こうした実際の仕事(作業)を理解し、それが好きなのか嫌いなのか、やれるのかやれないのか(能力やスキル)、継続できるのかできないのかで決定しなければなりません。

 製造だとか販売だとかサービス業だとか、そんな表面上だけでの選択は、著しく本質を欠いたものになります。

 企業自身も企業は、その時々に「仕事を提供する場」という考え方になり、社員の一切を生涯に渡り面倒を見る、という視点は過去のものだという認識になりつつあります。

 従って、就職活動中の皆さんには、「あなたは、なぜ就職先としてこの仕事(特に具体的に行う作業として)を選択したのか」、その理由をしっかり明確な形で示せるかどうかを見極めていただきたいと思います。それも、実際に何をするのか(実作業として)を把握し、それが主張できるようにしていただきたいのです。それが示せないようでは、最も基本のところで危ういものがあります。

 今や、どこの企業に入るかではなく、自らのこれからの生涯の仕事として何をやるのか、その視点で仕事や企業を選択してほしいと思います。企業は未来永劫続くものではありませんが、仕事は人の社会がある限り続くものです。こうした大きな変換点の中では企業選びではなくホンモノの仕事選びをすることがたいせつです。

ジョブカフェ一関 センター長 金野 馨

2013年8月